プリン博士の憂鬱な日々
バイト
どんな不景気な世の中でも金持ちは存在する。

 貧乏大学生の今田弘(iいまだひろし)は稼げるバイトを探していた。ネットで色々調べたが、割のいいバイトがなかった。

 簡単な仕事を優先すれば時給は安いし、高額を優先すればハードワークなので敬遠した。

「お前なら、ここの研究所がいい」

 と、友人に勧められた。

「面接は?」

「もう話はしてあるから、明日から行ってくれ」

「肝心の給料は?」

「土日祝は休み。午前九時から午後八時くらい。帰っていいと言われれば、帰宅してもいい。月給が三十万くらい」

「業務内容は?」

「その日によって違う。指示に従えばいい」

 今田はなぜそんなおいしいバイトを紹介してくれたのか疑問に思った。

「退屈で退屈で暇だから」

 それだけ何もやる事がないのに高給なのか。しかし、それくらいは仕事なので我慢しなければならないだろう。
 

 指定された住所に行った。町外れにある大きな敷地はすぐに見つかった。高い塀だった。
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