プリン博士の憂鬱な日々
爆弾か?

「いらないです」

 今田は拒否した。

「君にではないよ。博士にだよ!」

 マネージャーは怒り口調だ。ここから捲し立てられるのか。

「今回の失敗は博士も嘆いています……」

 今田は全力で低姿勢だった。

「あれね。あれならいいよ」

 あれって? あれか? 

「と、言うと?」

「あの子に歌手になってもらうの諦めてもらったから」

「そのわりには、機嫌がいいですね」

「けがの功名。いい新人がいたから」

「もしかして、銅坂さんですか?」

「そう! 彼は百年に一人くらいの大天才です」

「それはよかったですね!」


 この一件は好い方向で落着した。しかし、銅坂が薬を飲んで才能を開花したとなると、この先が心配だ。
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