プリン博士の憂鬱な日々
身体(からだ)は包まれ、室内に運び込まれた。
「何なんだ!」

 あまりの恐怖に怒鳴(どな)りあげていた。

「君か? バイトっていう重要人物プル」

 語尾にプルとかつけて、意味不明と問い質したくなる。しかし、目の前にいる白衣を着た老齢の男性を見た瞬間に口を閉じたくなった。はげ頭に白い口ひげに赤いレンズの丸メガネをかけていた。普通ではない。

「今田です」

 ここは簡素にするのが無難だ。

「わしが雇い主のプリン博士じゃプル!」

 語尾を注意したくなる。雇い主でないなら、速攻に突っ込んでいたであろう。

「プリン?」

 今田は首を捻った。名字なのか名前なのかわからないからだ。詳しく聞きたくもないので、ここはスルーを決め込んだ。

「そんな驚くことはないプル」

 驚いていない。疑問があるだけだ。

「そしたら何をすれば……」

「そもそも、わしは、タイムマシーンを作ることが目的なんだプル」

「あの時間移動する?」
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