プリン博士の憂鬱な日々
「そうじゃプル。だいたい、ニュートンの絶対時間の理論じゃ、タイムマシーンなどありえないが、アインシュタインの出現でそれは、崩れたプル!」

 プリン博士はふんと馬鹿にしたように鼻を鳴らす。

「ああ、そのへんはよく知らないんですけど」

 今田は理数系は苦手だった。

「お主、これくらい常識プル!」

 プリン博士はいきなり踊った。それは、くらげのように、身体をクネクネした。見ている方は気持ちが悪いの一言だ。

「それって、何ですか?」

 我慢が出来なくて、聞いてしまった。

「セシウム原子ダンスプル」 

「その、セシ何とかって?」

「知らないのかプル。これは一秒間を正確に計るための大事なものプル」

「一秒間ね……」

「この原子が約九十一億回振動するとそれが、一秒プル」

「はあ……」

 今田にはさっぱり理解出来なかった。ダンスとセシウムの関連が見いだせないのだ。原子だか電池だかどうでもいい世界だからだ。
< 4 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop