花鎖に甘咬み


のしっと。

真弓の体にのしかかって、大真面目に言う私のことを、真弓が目を見開いて見つめている。



「真弓にもちゃんと健康体でいてほしいよ。心配だもん、長生きしてほしいし……いつまでも元気でいてほしいもん」

「ふは、そんなこと言うのお前ぐらいだわ、マジで」




肩をすくめた真弓はゆっくりと上体を起こした。

どうやら起きてくれる気になったみたい。




「わーった、ちとせに免じて、今日は一緒に朝飯食ってやるよ」

「やった!」

「中華でいいか」

「へ……? 中華?」




中華って……中華料理、だよね?
八宝菜とか餃子とか、エビチリとか、炒飯だよね……?


意外なチョイスだな。
というか!



「朝から中華……?」

「ん。行きたいとこあんだよ」

「行きたいところ? 外に食べに行くの?」

「そ」



もはや決定事項みたいだ。

ツッコミどころは満載だけれど、真弓には真弓の考えがあるみたいなので、ここは大人しく従うことにする。




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