花鎖に甘咬み
第 Ⅲ 幕
雪白と薔薇紅
× × ×
ホワイトブロンドの髪、その隙間からのぞく氷海の瞳。
精巧につくられたような顔、でも真弓とは全く違う雰囲気をまとっている。圧倒的な存在感に、名乗られなくとも、わかってしまう。
このひとが、倉科純圭さん。
〈白〉のトップに立つひと。
『会えばすぐわかる。圧倒的だからな』────さっき青葉さんが言っていたことも、わかってしまう。
つい先ほどまであんなに怖かったミユキさんが、純圭さんと並ぶとまったく霞んで見えるほどで。
「あ……」
このひとに聞きたいこと、たくさんあるはずなのに。
声を発することすら、ためらってしまう。
そんな私に、純圭さんは虫けらでも見るかのような視線を寄越した。
「コレがどこまで使い物になるか見ものだな」
「……!」
冷たい口調で吐き捨てられた、その言い回しにひっかかる。
“コレ” とか “使い物” とか、まるで……。
ぷつん、と頭のなかでなにかが切れた。
そして、さっき声を発することすら恐れていたのが嘘みたいに。
「私、物じゃないですから……!」
「っ、ちょ、おい、おま」
突然声を張り上げた私に、隣の青葉さんがなぜか慌て始める。
けれど、そんなことで私の口にブレーキはかからない。むしろアクセルギア踏み倒して全開だ。
ホワイトブロンドの髪、その隙間からのぞく氷海の瞳。
精巧につくられたような顔、でも真弓とは全く違う雰囲気をまとっている。圧倒的な存在感に、名乗られなくとも、わかってしまう。
このひとが、倉科純圭さん。
〈白〉のトップに立つひと。
『会えばすぐわかる。圧倒的だからな』────さっき青葉さんが言っていたことも、わかってしまう。
つい先ほどまであんなに怖かったミユキさんが、純圭さんと並ぶとまったく霞んで見えるほどで。
「あ……」
このひとに聞きたいこと、たくさんあるはずなのに。
声を発することすら、ためらってしまう。
そんな私に、純圭さんは虫けらでも見るかのような視線を寄越した。
「コレがどこまで使い物になるか見ものだな」
「……!」
冷たい口調で吐き捨てられた、その言い回しにひっかかる。
“コレ” とか “使い物” とか、まるで……。
ぷつん、と頭のなかでなにかが切れた。
そして、さっき声を発することすら恐れていたのが嘘みたいに。
「私、物じゃないですから……!」
「っ、ちょ、おい、おま」
突然声を張り上げた私に、隣の青葉さんがなぜか慌て始める。
けれど、そんなことで私の口にブレーキはかからない。むしろアクセルギア踏み倒して全開だ。