花鎖に甘咬み
他人に……というか、もはや人類にまったく興味がなさそうに見えるのに、私を使ってまで真弓と接触しようとするのはどうして?
「正確には、本城が欲しい」
「欲し、い?」
またモノみたいな言い方をする。
むっとした私は純圭さんを睨むけれど、そんなことでは崩れないポーカーフェイスのまま、純圭さんは淡々と言葉を続けた。
「本城は使えるからな。〈赤〉への対抗手段としても、目的のためにも」
「使える、ってそんな言い方……。それに真弓が望んであなたに使われてくれるとでもっ」
「さあ? ただ、本城の本質は〈赤〉よりも圧倒的に〈白〉寄りだと思うがな」
「それは、どういう……」
「KirとKardinal、それぞれがどういう性格の集団かくらいはわかるだろ」
「ええと」
そんなこと急に言われても。
言葉につまってしまう。
敵対関係だってことくらいしかわからない。
考えることを諦めて首を横に振る。
と、純圭さんは呆れた目で私を見下ろして、黙ってしまった。
「あの……」
完全に無視されてしまう。