花鎖に甘咬み
いち早く私たちに気づいた男の人は、すぐさま真弓の一撃に倒れる。
つ、強……とさすがにおののいた。
けれど、真弓の読みどおり、10はゆうに超える人影が次々と襲いかかってきて、甘えてもいられない状況になる。
「っ、来ないで!」
「あ? テメエ、弱っちい面してなに────うがッ」
「クソッ、女のくせに小賢しいなア?」
「女とか男とか、関係ないでしょっ?!」
ぶんぶんとパイプを動かしながら、あたりを見回す。
10どころじゃない、20いたっておかしくない。
でも、そのほとんどは────。
「来いよ」
「〈猛獣〉、テメエ……」
「存分に相手してやるよ。お前らの狙いは、俺ひとりだろ? なあ?」
「チッ、ぜってえ純圭サンに突き出してやる……!」
「へえ。いーじゃんその気概。まとめてかかってくれば?」
背中越しに聞こえる真弓の声に苦笑いする。
この人、この期に及んで、煽ってるんですけど……!
そのせいか────いや、もともと真弓狙いだったんだろうけど、男の人たちの攻撃は真弓に集中していて。
それでも心配する必要がないくらい、圧倒的な強さで勝ち星をあげている。