竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 そして、耳が黒いやんちゃなフェンリルは『シェット』、色白の好奇心旺盛な女の子のフェンリルは『エミーナ』、尻尾が黒く最後までミレイナに警戒心を持っていたフェンリルは『レイーコ』という名前らしい。
 リスのように見えたのはラタトスクと言う種類の魔獣で、名前は特に決まっていなかったようなのでミレイナは『ラト』と名付けた。
 
 彼らによると、魔獣の保護獣舎には定期的にジェラールが保護した様々な種類の魔獣達がやってくるが、その殆どは傷が癒えると元の森へと帰ってゆくという。
 想像するに、あの四匹は赤ん坊のころに保護されている上に、親兄弟がもういないなどのなんらかの事情で、森へ返すことができないのだろう。

「うん、本当に大丈夫」

 ミレイナは笑顔で答える。

「ならいいんだけど。困ったことがあったら私で力になれることだったらなんでも言ってね。今日、メイド長のところにいって、週に二回は私も魔獣係をすることにしたの」
「え、本当?」
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