竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
(もしかして、外でシェットあたりが怪我をしたのかも!)

 シェットはやんちゃなのでいつも岩山から飛び降りて遊んでいる。足を滑らせて大怪我でもしたのかもしれないと、ミレイナは慌てて外に飛び出す。
 そして、獣舎の入口にいた人物にヒュッと息を呑んだ。

「……ジェラール陛下?」

 そこには、こちらに近付いてくるジェラールがいた。
 頭を隠すケープを被っているので姿は見られていないはずだけれど、ミレイナは咄嗟に耳と尻尾を消して完全な人へと姿を変える。

「こいつを保護してきた」
「こいつ?」

 よくよく見ると、ジェラールは何かを大事そうに抱えていた。ミレイナはジェラールが腕に抱えているものを恐る恐る覗き込む。

「これは、ドラゴンですか?」

 サイズは体長五十センチ程とさほど大きくもないが、それは紛れもなくドラゴンだった。
 体は赤茶色鱗に覆われており、足下だけが黒い。こちらを見つめる金色の瞳には縦に瞳孔が走っていた。

(もしかして、竜化した人?)

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