竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 ラングール国にいる竜人は人型と竜型の二つの姿を取ることができる。
 もしやこのドラゴンは竜化した人なのかとミレイナが不安げに見つめると、ジェラールはそんなミイナの心を読んだかのように首を横に振る。

「これはただのドラコンだ。翼を怪我して倒れているところをゴーラン──俺の従獣だ──が見つけて保護した。恐らく、巣立ちに備えて飛ぶ練習をしていたところで落ちて、動けなくなったのだろう。翼の手当はしてある」

 確かに、よく見ると翼の付け根に包帯が巻いてあった。

「ドラゴンはどんな住環境を好むのか、教えて貰える人を紹介してもらえませんか? よく知らなくって」
「なんだ? 先日、魔獣の自分に世話は任せろと言っていたのに」

 ミレイナはその皮肉交じりの言い方に、少しムッとした。

「これまでは世話をする対象にドラゴンはおりませんでした。アリスタ国にドラゴンはいませんでしたので、世話をしたことがないのです。実際に見るのも初めてです」

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