竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
「昨日保護したあいつの様子はどうだ?」

 魔獣舎に入ってきたジェラールは、ミレイナの顔を見ると開口一番にそう聞いてきた。きっと自分が保護した魔獣が元気にしているか、心配していたのだろう。

「それが、少し困っております」
「困っている?」

 ジェラールが怪訝な顔をしたので、ミレイナは説明するより見せた方が早いと、ラドンの元にジェラールを案内した。

「元気になっているではないか」

 何に困っているのかわからないと言いたげに、ジェラールはこちらを見る。

「あんなに羽ばたいては、傷口が広がってしまいます」

 ミレイナが眉尻を下げると、ジェラールは何かに気が付いたようにハッとした。

< 137 / 319 >

この作品をシェア

pagetop