竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
「そうか。アリスタ国にはドラゴンがいないのだったな。ドラゴンは魔力が強く、傷を癒やす再生能力も普通の魔獣の倍以上だ。あれくらいの動きであれば、問題ない」
「え? そうなのですか?」

 ミレイナは驚いて聞き返す。

「そうだ。現に、実際に飛んではいないだろう? 飛ぶほど力を入れれば傷口が開くと分かっているから、自分で加減している」
「へえ……。知らなかったわ」

 ミレイナは感心しながらラドンを眺める。
 やはりドラゴンは普通の魔獣とは一線を画する生き物のようだ。

「次にドラゴンが保護されたときに備えて、よく覚えておきます。他に、ドラゴンを保護する上で知っておかねばならない事はありますか?」

 ミレイナはジェラールを見上げる。空のような美しい青い瞳と目が合った。

「そうだな……。可能な限り、早く森に返したほうがいい」
「可能な限り早く? それはなぜですか?」
「ドラゴンは家族愛がとても強い。(つが)えば一生その相手しか愛さないし、子供のことを何よりも大切にする愛情深い生き物だ。きっと、あいつがいなくなって、親ドラゴンは今も探しているはずだ」

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