竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
ドラゴンは嬉しそうにグルグルと喉を鳴らした。親ドラゴンを探すということは、傷が癒えているので見つけられたらそのまま野生に返すつもりなのだろう。
「もう、傷は完全に癒えているのか?」
「はい。昨日も今日も飛ぶ練習をしていたのですが、問題なさそうでした。親ドラゴンがいれば返してあげるのがいいかと」
ミレイナはこくりと頷く。
そして、まるで鳴き声に耳を傾けるかのようにフェンリル達を見つめてから顔を上げると、まっすぐにジェラールを見つめてにこりと微笑んだ。
「よろしければ、陛下も行かれませんか?」
「俺も?」
「はい。息抜きになるのではないかと思いまして。今日もやっぱりお忙しいですか?」
ミレイナに微笑みかけられて、ジェラールは返答に迷った。
正直言うと、忙しい。
(数時間程度なら、夜に仕事をすれば遅れを取り戻せるか……)
あまりにも時間が掛かりそうであれば、自分だけ先に戻ればいいだけだ。
「わかった。いいだろう」
「よかった。この子達も喜びます」
ミレイナは嬉しそうに笑ったが、ふと笑みを消してジェラールを見上げる。