竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
「そうか。城下は楽しかったか?」
「ええ、とても。色んなお店がありました。お花屋さんにパン屋さん、小物屋さん、食器屋さんも見たかしら。あとは──」
ミレイナは先ほどリンダと訪れた場所をひとつひとつ想像しながら、夢中で喋る。そして、だいぶ喋ってからハッとした。
「申し訳ありません。ひとりで喋りすぎました」
「よい、俺が聞いたんだ。城下が栄え、民が楽しんでいることはよいことだ」
形のよい唇の口角が少しだけ上がり、普段は鋭い目元が和らぐ。
その表情を見たとき、胸がトクンと跳ねるのを感じた。ミレイナは赤らんだ頬を隠すように、ジェラールから顔を逸らす。そして、肝心なことに気付いた。
「そうだわ。これを陛下に」
ミレイナは鞄から今日買ったナツメヤシの袋のひとつを取り出した。
「なんだこれは?」
ジェラールは紙袋を受け取り、怪訝な顔をする。
「ええ、とても。色んなお店がありました。お花屋さんにパン屋さん、小物屋さん、食器屋さんも見たかしら。あとは──」
ミレイナは先ほどリンダと訪れた場所をひとつひとつ想像しながら、夢中で喋る。そして、だいぶ喋ってからハッとした。
「申し訳ありません。ひとりで喋りすぎました」
「よい、俺が聞いたんだ。城下が栄え、民が楽しんでいることはよいことだ」
形のよい唇の口角が少しだけ上がり、普段は鋭い目元が和らぐ。
その表情を見たとき、胸がトクンと跳ねるのを感じた。ミレイナは赤らんだ頬を隠すように、ジェラールから顔を逸らす。そして、肝心なことに気付いた。
「そうだわ。これを陛下に」
ミレイナは鞄から今日買ったナツメヤシの袋のひとつを取り出した。
「なんだこれは?」
ジェラールは紙袋を受け取り、怪訝な顔をする。