竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~

(4)新職場②

「ジェラール陛下!」

 ディックは慌てた様子でミレイナから離れると、頭を下げる。

「財務局はよほど暇と見えるな。人員配置の見直しを図るべきか」

 ジェラールの皮肉に、ディックの表情が途端に強張るのが見えた。ジェラールはそんなディックの横を通り過ぎると、ミレイナの元まで歩み寄る。

「ミレイナ、お前に用事がある。こい」
「私ですか?」

(こんなところまでわざわざ来るなんて、なんの用事?)

 ジェラールは戸惑うミレイナの腕をぐいっと掴み、半ば強引に部屋を出た。

 廊下に出たミレイナはジェラールの後ろ姿を仰ぎ見る。
 すぐに思いついたのは、魔獣達に何かがあったのではないかということだった。

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