竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 ジェラールはラングール国を統べる竜王で、あんなことがなければ一生視界に入ることすら許されなかったであろう雲の上の存在だ。
 それに、先日の舞踏会で愛する人を見つけていて、今頃幸せに過ごしているだろう。

 それに対して、自分は隣国の一介の平民で、しかも獣人だ。

「よくわかんないけどさー」

 マノンは考えるように宙に視線を彷徨わせ、言葉を選ぶようにゆっくりと喋る。

「ミレイナが好きになるくらいの人だから、獣人だとかそんなこと、きっと気にしないんじゃないかなー。それに、助けて三ヶ月近くも面倒見る位なんだから、ある程度の好意はあったと思うんだよね」

 にこりと微笑まれて、ミレイナは瞠目した。

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