竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
(3)竜王陛下との再会②
馬車から見えるのは、白亜の宮殿だ。
三角形の屋根の建物がいくつか組み合わさり、一番高いところには円筒状の塔が付いている。ラングール国の王宮とはまた違った趣がある立派な城だった。
「わぁ、すごい……」
ミレイナは目の前の光景にただただ圧倒され、呆けたように見上げる。
ミレイナは国境沿いの辺境の地、要は田舎に住んでいるので、アリスタ国民でありながらアリスタ国の王宮を見るのは始めてだ。
馬車通り沿いには、アリスタ国とラングール国の国旗が交互に並べられ、祝賀ムードに包まれていた。
(いよいよかぁ……)
ミレイナはその様子を見て、口元を綻ばせる。
今日、ジェラールの悲願だったアリスタ国とラングール国の和平調印式が、アリスタ国の王宮で執り行われるのだ。