竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
11.エピローグ
ミレイナは大いに困惑していた。
こんなとき、未来の夫とメイド長のどちらを立てるのが正解なのだろう。
「陛下。愛おしくて仕方がないのは理解できますが、予定が遅れてしまいます。そろそろご退出を」
「もう少しだけ待て。見ろ、この愛らしさを!」
メイド長はまた始まったと言いたげにため息を吐くと、冷めた視線をジェラールへと向ける。
「このままでは陛下のせいで準備が遅れ、いつまで経っても挙式ができないかもしれません」
「何?」
ジェラールの顔に、驚愕の表情が浮かぶ。
呆然としたところを慣れた様子でメイド長が部屋から追い出した。
ドアが閉る間際、捨てられた子供のような表情を浮かべたジェラールを見てミレイナは内心でとっても悪いことをしてしまった気がした。