竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 ミレイナが片手を上げて指さすと、ジェラールはその視線を追う。そこには、ゴーランがお座りしてこちらを見つめている。

「いや、そうではなくてだな。もっと小さくて──」
「小さい? そういえば、リスのような魔獣は見かけました」
「リスと似ているが、違うんだ。もっと、耳が長くて、体はリスより一回り大きい。これくらいだ」

 ジェラールは両手で楕円を作って大きさを見せる。体調二十センチくらいだろうか。
 ミレイナはジェラールの説明を聞きながら、ピンときた。

「……もしかして、ウサギですか?」
「そうだ! 見たのか!?」

 少し冷たい印象のジェラールの表情が、途端に明るくなる。
 ミレイナはその反応に呆気にとられた。

「いいえ、見ていません」
「……そうか」

 それを聞いた瞬間、ジェラールは今度はわかりやすくがっかりした表情を見せた。
 ミレイナはその様子を見つめていて、もしかしてと思い当たる。

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