竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
「そうなの? ミレイナってふわふわしててすごく可愛いのに」
「そんなことないよ」
「そんなことあるわ。きっと、アリスタ国の男性は奥手なのね」

 リンダは納得いかない様子で頬を膨らませてみせる。ミレイナはそんなリンダに曖昧に微笑み返した。

 ミレイナは、芳紀まさに十八歳。
 町で親しくなった男性にそれとなくデートに誘われたことは何度かある。けれど、結局それを断って殻に閉じこもるのはミレイナのほうだった。

 獣人は忌み嫌われる存在だ。
 恋人になって、いつか夫婦になることを考えると獣人であることを隠し通すことはできない。好きになった人に拒絶されることを恐れて、その気持ちに応えることができなかった。

「ラングール国の人達は、どんなデートを?」

 ミレイナは努めて明るい声で、リンダに聞き返した。
 リンダは待ってましたとばかりに表情を明るくして話し始める。

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