竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 リンダから話を聞いた限り、魔獣係はなりたがる人が少ない上に、みなすぐに辞めてしまうらしいので、自ら立候補するというのは信じられないのだろう。

 じっと見つめられて居心地の悪さを感じる。
 けれど、ミレイナは唇を引き結ぶとしっかりと頷いた。

「本気です。私、以前に動物のお世話をする仕事をしていたんです」

 以前と言っても前世だけど、とはもちろん言わない。

「でも、アリスタ国に魔獣はいないのではないかしら?」
「確かに、アリスタ国には魔獣はいません。けれど、魔獣を魔力を持つ動物の一種だと思えば、さほど変わらないと思います」

 メイド長は少しの間、じっとミレイナの顔を見つめる。そして、ふむと頷いた。

「話はわかったわ。では、明日よりあなたを魔獣係に配置します。しっかりと役目を果たすように」
「っ! はい!」

 ミレイナはコクコクと頷く。
 元来動物は好きなので、魔獣係になることに抵抗はない。
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