センチメンタル・ジャーニー ~彼を忘れるための一人旅
着替えを買って 部屋に戻ると
奏斗は 早速 シャワーを浴びた。
その間に 私は スマホを手に取り
奏斗の ラインを 開いてみた。
最終的に 64まで 溜まっていたメッセージ。
私を 心配する言葉。
居場所を聞く言葉。
そして ごめんねの嵐。
涙汲んで ラインを読んでいると
奏斗が バスルームから 出て来た。
「やっと 見てもらえた…」
「うん…」
「心配したんだよ。」
「うん。」
「俺 葉月 いないと死んじゃう。」
「馬鹿…」
濡れた髪の 奏斗は ちょっと セクシーで。
私は 奏斗の胸に 抱き付いて キスをした。
「葉月も 思い切ったこと するよなぁ。クアラルンプールなんて 俺 想像もつかなかった。」
「最初は 不安だったけど。だんだん 旅行が 楽しくなって。今日はね 1人で モスクに行ったんだよ。」
「俺 一生 葉月に 振り回されそう。」
「えっ?一生って…」
「葉月。帰ったら 結婚しよう。俺 もう 葉月と離れたくない。」
「あーっ。そうだ 奏斗。私の実家に 電話したでしょ?」
「あっ。だって 葉月 帰っているかって 思ったから。」
「お母さん 変に思ってるよ。」
「うん。お土産持って お詫びに行こう。ねぇ…葉月。返事は?」
「フフッ。ありがとう。よろしく お願いします。」
奏斗は 私を 強く抱きしめて また泣いた。