永遠の青空の下
第一話


「けいた、一緒にかえろ」
「おう、さくら、もう少し待っててくれ」

けいたとさくらは幼なじみ。登下校は小学校からずっと一緒で、高校生一年生になった今でも毎日のように一緒に帰っている。

「けいたってさー、好きな人いないの?」
「ん?いないよ?」
「えー、あやしいなー。」
「ほんとにいないって」
「ふーん。そっか...」

少し悲しそうな顔を浮かべるななみを不思議に思いながらけいたも聞いてみる。

「そういうさくらはどうなんだよ」
「えっ?私?どうでしょーねーw」

そう言ってさくらは後ろに腕を組み、くすりとはにかんだ。

「なんだよそれぇー、じゃ、また明日な」
「うん。また明日」

さくらが家に入っていくのを見送り、自分も家に帰る。

「ただいまぁー」

その夜...

(はぁ、なんでさくらはあの時悲しそうな顔をしたんだろう)

「行ってきまーす...」

(さくらはなんで悲しそうな顔をしたんだ?)

「...?...た!けいたってば!」
「うわっ!なんだ、さくら、か、」
「どうしたの?朝からそんなに難しそうな顔して」

そう言って顔を覗き込んでくる。

「なっ、なんでもねぇよ」

けいたはとっさに目をそらした。

「ふーん。まぁ、いいけど。今日朝小テストだよ?勉強ちゃんとしたの?」
「やっべ!!忘れてた!!」

(昨日はさくらの悲しそうな顔をした理由を考えてて寝れなかったしな...)

「じゃあ、早く行って勉強しよ?」
「それはありがたいけど、おまえクラス違うじゃんwww」
「まぁ、なんとかなる!早く行くよ!」

さくらの走っている後ろ姿を眺めながら、けいたはまだ考えていた。

(あの悲しそうな顔は、やっぱり。)

「何してんの!早く行くよ!」

振り向いて大声で呼ぶさくら。

「おう!今行く!!」

けいたはそう言って、走るさくらの背中を追いかけた...
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