ゆめ恋。



「あ、綾那ー!」

「おっはー」


そんなどんよりしたここにめぐとまいがやってきた。
今日はちゃんと朝から来たんだ。


「……行こ」


あ、行っちゃうんだ。
行っちゃうんだ?

めぐとまいが来たら、私に近づかないって…よわ。
なめられたもんだなぁ…


「なに話してたの?」

「え、…とくに。
挨拶してただけ」

「ふーん?」


なんか…この2人怖いから、本当のこと言ったら
「ちょっと待てよ!!」
みたいになりそうで怖い。

転校してきたばっかりで問題起こすのはちょっと怖いよ。


「2人ともトイレでしょ?
私先に戻ってるね」


そう言って、私は先に教室へと向かった。

…でもなんだかんだあの2人に助けられちゃったな。
あの状況抜け出すには協力するか仲よくしないことを宣言しなきゃいけなさそうだったし。


「あ、綾那」

「え、一樹が教室から出てるなんて珍しいね」

「俺もトイレ行くとこ。
ってか今日の放課後、慧が一緒にテスト勉強しないかって」

「え、どこで?」

「俺んち。
綾那も来る?昨日宿題手こずってたし」



う…、確かに…昨日の宿題一樹に教えてもらったんだよなぁ…
こんな見た目なのに、教え方もうまかったし…


「…うん、行く」


こういう機会にわかんないとこ、一樹に聞きまくろっと。
学年トップみたいだし。


「それ私も行きたいな!」


・・・え?


「ね、あやちゃんいい?」

「あー…ちさちゃん」



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