ゆめ恋。



昼休み、私はさっさとご飯を食べ、ちさちゃんをさっきの学習室へと呼び出した。


「どうしたの?急に」

「あの、ね」


私は深く息を吸って、ふぅーーと吐いて呼吸を整えた。
ドキドキする、けど
ちゃんと言わなきゃ。自分のためにも。


「……私、ちさちゃんとまた仲良くなりたいって本気で思ってる」

「うん、私も!」

「でも…、私は一樹のことも大事な友達だと思ってて…
それ、でね…
…今回の勉強会は、私と一樹と慧の3人でやりたいって一樹が言ってて…

本当に悪いんだけど、ちさちゃんはまた今度でもいいかな…」


こんなこと言うなんて、本当に失礼だけど…
でも、一樹のためにも自分のためにも、ちゃんと伝えなきゃだと思ったから

ちさちゃんを傷つけるかもしれないけど、
言わなきゃ。そう、思った。


「……なーんだ、そんなこと?」

「え?…い、いいの…?」

「うん、もちろん!
急に呼び出すから、どんな話かと怖くなっちゃったじゃん!」

「ご、ごめんね!」


な、なんだ…
こんなあっさり断れるなら…

さっき、ちゃんと断っておけばよかった…
そしたら一樹ともケンカせずに済んだのに…


「ううん、いいよ。
じゃあ私、教室戻るね!」

「あ、うん」


ちさちゃんはそう言って、教室に戻っていった。


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