ゆめ恋。



「ねぇ、今日一樹んちでやるんでしょ?」


私はカバンも持ちながら、そう一樹に聞いた。


「そうだけど?」

「私汗めっちゃかいたから、1回シャワーしてから行くね」

「ふーん、そ」


そんな会話しながら教室を出ようとしたら

「あ、待ってたよー!」

「…え?」


なぜか、そこにはちさちゃんがいた。


「ね、一緒に帰ろ!」


・・・待って、なぜ?
え、だって昼休みに断ったよね…?


「い、一緒に帰る…?約束してたっけ…?」

「ううん、してないよ。
でも一緒に帰るくらいいいでしょ?勉強会は行かないから、途中まで一緒だし!」


途中まで一緒だし、って
ちさちゃん、本当に一樹んち知ってるんだね…


「や、でも…」


一樹の方をチラッと見ると、一樹は完全に嫌そうな顔をしていたけど
私と目が合ったら小さくため息をついて

「……今回限りだぞ」

そういって、先に教室を出て行った。


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