ゆめ恋。



「ありがと!
私、1回あやちゃんとゆっくり話したかったの!」

「あ、うん
それは私も」


先に出て行った一樹に慧がついていき
私とちさちゃんはその後ろを歩いて靴箱へと向かった。


「ね、昔よく言った空き地覚えてる?」

「あ、うん!木材置き場でしょ?」

「あそこ、5年くらい前に潰されて、今じゃスーパーになってるんだよー」

「え!?そうなの!?なんかショック―…」

「ね、私たちあそこでよく遊んだもんねー」


そんな会話をしながら。
こんな話するの、引っ越してきてから初めて…一樹のこととか、めぐとまいの話聞いててあやちゃんも変わっちゃったんだなって思ったけど…
やっぱり、私に接する感じは昔とあんまり変わんないや…


…と、思ったんだけど


「なんで私は慧と歩いてるの」


靴に履き替えて、いざ帰るってなったら
ささっとちさちゃんは一樹の隣をキープして、私は慧と後ろを歩く羽目になった。


「え、俺もたまには綾那ちゃんとゆっくり話したいんだけど」

「……でも、一樹がちょっと心配」


前を歩く2人を見ると、ちさちゃんが一方的に話しかけていて、一樹はすべて無視。オールシカト。

…ちさちゃんも、よくやるなぁ。


「…まぁ、今回だけだからって我慢してんじゃん?」

「そんなに嫌いかぁ…」



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