ゆめ恋。
……結局、綾那ちゃんはそのまま、つっちーの隣で勉強を始めて
仕方なく俺もこのままここで勉強を始めた。
はぁー…、結局綾那ちゃんに教えてんのつっちーだし。
俺が教えたかったし、教えられたかったのに。
…なんかなぁ。テスト勉しようって言ったのも俺で
綾那ちゃんも誘おうって言ったのも俺なのに
誘ったのも、話してるのもつっちーって。
俺、存在感ないな…
……よしっ、
「……つっちー!ここわかんねぇ!」
「……どこ」
”俺も綾那ちゃんと話したいからどっか行って”
そう書いたノートを、つっちーに見せた。
頼むよ、つっちー。俺にも時間を……”めんどい”
・・・おい。
一言で済ませんなよ!!
そして俺を無視すんな!!
「ねぇ、一樹こここれで合ってる?」
「あ?……あぁ、できてるよ」
「よかったー。これは理解したっ」
……なんでいっつもつっちーばっかり…
まぁ、やっぱりつっちーかっこいいもんな。
俺よりイケメンだし、頼りにもなるし。
……俺女癖悪いしなー…
「あ、もうこんな時間」
綾那ちゃんがそう言うから時計を見たら、時間はもう18時半だった。
「おばさんまだ帰って来ないの?」
「あぁ。でもあと30分くらいで帰ってくるとは思うけど」
「そっかぁ。ならそろそろ帰ろっか。
帰ってきてこんないたら邪魔だろうし。
ね?慧」
「え、あぁ!そうだなっ」
綾那ちゃんがバタバタと帰り支度を始めたから、俺もカバンにさっさと荷物をしまった。