ゆめ恋。




翌日、私は昨日の続きでひたすら家の片づけをしていた。
最初にみんなでリビングを片づけ、今日は自分の部屋をね。

といっても、持ってきた服を広いクローゼットにしまっていくだけ。
部屋にはまだベッドしかなく、がらーんとしていた。


「綾那―、片付いたー?」

「あ、うん!」


やっぱり、里穂や学校のみんなと離れるのは寂しいけど…でも、新しい生活が少し楽しみになってきていた。

引っ越してきたマンションは思っていたよりずーーーーっとキレイで、高級感あるキレイなタワーマンションだった。
正直、こんないい部屋だとは思ってなかったから…


「よし、じゃあお隣にご挨拶に行こうか」

「はーい」


私とお母さん、お父さんは手土産を持って、まず右隣の部屋のインターホンを押した。


「はーい、どちらさまですか?」

「あ、隣に引っ越してきた都築(つづき)と申します。
よろしくお願いいたします。

あ、これは静岡のうなぎパイです。
どうぞ、ご家族で」


そんな、簡単な挨拶だけ済ませて、今度を左隣に向かったけど
そちらは残念ながらお留守で誰も出ては来なかった。


「こちらは明日、私と綾那で挨拶をするわ」

「そうだな。
俺も後日挨拶をしておくよ」


右隣の方はとっても優しそうな家族だった。
中学生のお子さんがいて、仲良くなれたらいいなぁ…
今年受験生って言ってたし、私も頑張らないと!!


「お母さん、お腹すいたー」

「あぁ、そうね。
ご飯作らないと」



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