ゆめ恋。



***


結局、2人きりになるのがちょっと俺は怖くて、今日の昼はめぐとまいも巻き込んで4人で食べた。
いつも学食行っちゃうのに教室残ってくれた2人にはまじで感謝しかないわ。

でも昼休みには綾那ちゃんも朝と違って元気で、普通にいろんな話をする俺にたくさん笑ってくれたし、たくさん話しかけてくれて
いつもよりもすっげぇ話せた。つっちーがいないから。

…やっぱ、つっちーいないのでかいわ。
めっちゃ話せる。


そして、放課後

「綾那ちゃん、行こうぜ!」

「あ、うん」

待ちに待った、2人で映画。2人で映画!!
もう俺の周りには陽気なオーラがまとってるに違いない。


「え、なに
2人で映画行くの?」

「おう、まぁなっ」


めぐとまいにも別れを告げ、俺と綾那ちゃんは一緒に教室を出て、靴を履いて映画館のあるショッピングモールへ向かうため、とりあえず駅方面へと歩いて行った。


「ね、慧」

「んー?」

「映画さ、やっぱり…明日にしてくれないかな」

「……え、なんで?」

「…ちょっと、一樹が心配で」


…は?また、つっちー…?


「さっき、電話したらまだ辛そうな声してたし、なにも食べてないみたいだし…」

「…でも、綾那ちゃんに移っちゃうかもしれないし、つっちーのとこ行くのはやめたほうがいいと思うよ、俺は」

「わかってる。…でも気になるの。
もしかしたら、風邪の原因は私かもしれないし…」


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