ゆめ恋。



───1時間後、
私は出来上がったおかゆを持って一樹の部屋へと戻った。


「一樹、おかゆー…」


…寝ちゃった、か?


私は机におかゆを置いた。
起こすわけにはいかないしねー…

えーと、紙とペン…
ペンはあるけど、紙がー…

…ごめん、ちょっと探させてねっ


私は勝手に一樹の部屋に引き出しを開けて、出てきたノートの端を切らせてもらった。

”温めて食べてね”

と書いて、ノートをしまおうとしたら
なんか古い写真が、その下に置いてあった。


「……あれ、これ」


小さいころの一樹…?
あれでもこの顔…どこかで…


「ん……」


え、一樹起きたかな?
私は写真の上にノートをしまい、一樹の元にまた座った。


「一樹?起きた?」

「……ん、綾那…」


やっぱり目を覚ましたのか?ただ夢を見ているだけなのか…?
目は開けずに私の名前を呼んだ。

…なんだか、これで起こしておかゆっていうのも悪いし…


「やっぱ帰るか」


そういって立ち上がろうとした瞬間、私の腕は掴まれて

「え、ひゃあっ!」


ぐっと、引き寄せられ、て


「……ん、」


一樹の唇と、私の唇がぶつかった。


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