ゆめ恋。




ご飯を食べ、少し部屋でゆっくりして
私はこの部屋の窓から外を眺めていた。

お父さんとお母さんの寝室には窓がなくて、高層だからあとはリビングにしか窓がない。
ベランダもついてるけど、洗濯はやっぱり部屋干しになるみたいで、太陽のにおいがつかなくなると思うとちょっと寂しいや。


窓を開けると、夏だけど高層だからか涼しいさわやかな風が入ってきて、すごく爽やかだった。

窓は全部は開かない。せいぜい顔ひとつ分で、肩はでない。
これもやっぱり落下防止かな?安全だなぁ…


明日はお母さんと買い物に行くし、今日は早く寝ないとな…



~♪~♪~♪~♪


…ん?電話?


スマホが鳴り、画面を見ると里穂からの電話だった。


「はーい」

『あ、綾那?
どう?もう落ち着いた?』

「うん!
もう荷ほどきも終わって、部屋の窓からボーっと外を眺めてたとこー。
すっごい景色がいいの!」

『えーいいなー
富士山見える?』

「見えなーい
うち東に部屋が向いてるから…」


反対側のお部屋だったらきっと見えたんだろうな…
昨日までは見えて当たり前だったのに、今じゃもう見ることってなかなかないんだろうな…
東京から見る富士山ってすっごい小さいし…


『新しい家は広い?どう?』

「広いよ!4LDKで、リビングも広いから、受験終わったら泊まりにおいでよー」

『あ、行く行く!絶対行く!』


そんな話を、私は延々と…夜までずっとしていた。
結局お母さんに怒られて終わり、ご飯とお風呂済ませたらまーた里穂とLINE。

だって暇なんだもん。
ひたすら里穂としゃべることしかすることがないんだもん。

っていうか、もうこれが日課みたいなもんなんだもん。


そして毎日、お母さんに怒られるっていうね…


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