ゆめ恋。



「あ、綾那ちゃん顔赤いよー?かわいい」

「なっ…!み、見ないでっ…」


もう、なんなの慧までっ…!
顔近いってば!!


「おい」

「…なに?つっちー」

「どうでもいいけど俺の近くでいちゃつくなよ」

「あ、俺に綾那ちゃん取られたくない?
お気に入りだもんね、綾那ちゃんのこと」


───ドキン、

な、なんだんだ!ドキン、って!!
なに胸高鳴らせてんの…

落ち着け、私…


「…別に、関係ねぇだろ、それ。
しかも誰がお気に入りなんて言ったんだよ。
勝手に決めつけてんなよ」


…お気に入りじゃない、ってことか。
結構、仲いいと思ってたんだけどな…
一番の友だちって言ってくれてたのに。

…ってか、それならなんでキスしたんだろ。
お気に入りでもないただの友だちなのに。


やっぱ、好きな人の夢でも見てたのかな


「あ、先生きた。
じゃあまたあとでね、綾那ちゃん」

「あ、うん」


先生が来て、慧は自分の席へと戻っていった。
やっと静かになったー…

今日朝からドキドキさせられっぱなし…
落ち着け、私。


< 142 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop