ゆめ恋。
「あ、あやちゃん!」
靴箱に着くと、そこには約束してないけどちさちゃんが立っていた。
「ちさちゃん!どうしたの?」
「今日も一緒に帰れたらなーって思って!」
あ、一緒にか。
どうせ慧と駅の方に向かうし…別にいっか…
「でも今日つっちーいないけど、いい?」
いいよ、と答えようとしたら
隣にいた慧がそんなことをちさちゃんに言った。
一樹がいない、なんて関係あるのかな…
私と帰りたいって思って言ってくれたのに…
「え、一樹くんいないの?」
「そ。今日は俺と綾那ちゃんだけ」
「…へぇー」
ちさちゃんの視線は下にいった、かと思ったら
「あ、やばーい!
スマホ忘れてたっ」
そういって、走って階段の方へ向かった。