ゆめ恋。



「綾那ちゃん、行こ」

「え、でも待ってなくていいのかな…」

「違うよ。あれは俺らがつっちーと帰ると思って一緒に帰ろうって言っただけ。
本当は綾那ちゃんと帰りたいんじゃなくて、つっちーと帰りたかっただけだよ」

「え、…そ、なんだ」

「あの子はたぶん綾那ちゃん使ってつっちーと仲良くなりたいんだよ。
っていうか、つっちーと仲良くなるために綾那ちゃんを利用してるとも言える気がする。
だからあんまり仲よくするの、おすすめしないけどな」

「…ちさちゃんはそんな子じゃないよ」

「そういう子だよ。
綾那ちゃんは昔のイメージが残ってるのかもしれないけど、子供の頃の10年って大きくない?
その10年で変わったなんて普通のことだよ?
実際、俺だって10年前はこんなフレンドリーだったわけでもないし」

「え、そうなの?」

「そうそう。昔の俺はまじで暗いし地味だった。
…だからさ、今のあの子を知らない今は、あんまり過信しない方がいいんじゃないかなって思う。
実際それでこの前つっちーもイヤイヤあの子と一緒に帰ったわけだし。
今仲良くしてる人を大切にいたほうがいいと思うよ?」



< 146 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop