ゆめ恋。
「…どうして、好きって気づいたの?」
「さっき綾那言ってたじゃん
好きだったら、他のやつと喋てったら不安になったり、って。
俺もそんなとこ。そいつが俺以外の男と仲よくしてたらイライラするし、そいつに取られるかもって不安になったり、的な」
「えー、一樹にもそういう感情あるんだ」
「どういう意味だよ」
「でも、本当に好きなんだね」
「…まぁ」
…なんか、一樹にそういう感情があるなんて知らなかったや。
一樹をそんな風にできる女の子、か
その子は、私の知らない一樹を知ってるんだろうな
……いいな。
私が一番近くにいるって思ってた気がしたけど…そんなことないんだよね。
一樹からしたら、私も慧も同じようなもんなんだろうな…
「…なんか、私が一樹と仲よくしてたら、その子に誤解させちゃうね」
「はぁ?」
もしその子が同じ学校だったら
この辺に住んでいたら
いつも一緒にいるのは、よくない気がする。
その子に勘違いされたら、一樹を傷つける結果になりかねない、よね…
「綾那ー、お風呂入りなさーい」
「あ、はーい」
そこに、お母さんが部屋にきてそういうから
私はお風呂に向かうことにした。
「俺も風呂入ってくっかな」
「あ、うん」
「明日はきっちり起こせよ」
「…少しは自分で起きなよね」
「無理」
一樹はそういって、窓が閉まる音がした。
・・・一樹に好きな子、か。
よく喋って、よく笑って、守ってる、か…
いいな、その子。