ゆめ恋。
恋、か…
私一樹のこと好きなんだ…
「まぁつっちーが他の子と歩いてるなんてなかなか見れないもんね。
まぁつっちーが嫌いな上城さんはあるけど、さすがにあそこまで嫌ってたら嫉妬なんてしないだろうし」
た、確かに…
ちさちゃんには全然妬けない…というか、むしろ一樹に申し訳ない感情の方が強いかも…
「でも俺は何度も見たことあるよ。
つっちーが好きな子と歩いてるとこ」
「……え?」
ドキン、と
私の胸が強く打たれた気がした。
強く打って、ぎゅっと掴まれた
「ほら、妬けるでしょ」
…そか。
やっぱり私、一樹のこと好きなのか
「……うん」
私なんか、学校にいるときと、夜しか知らない。
他の一樹は知らない。
窓の外に話しかけても返事がないときだってあったし
…知らないとこで、会ってたりするんだろうな…
「んじゃ、今ならいいかな」
「……え?」
「俺も本気で、綾那ちゃんのこと好き。
…綾那ちゃんは、俺のことどう思ってる?」
慧は真剣な顔でそう言った。
前も言われた、そのセリフ。
…慧、待っててくれたんだ。
私がちゃんと気持ちの整理できるの…
「……ありがと。
でも、私は慧のこと、やっぱり友だちとして好き、なんだ」
私がそういうと、慧はいつもの笑顔に戻った。
いつもの優しい笑顔に。
「ん、わかった。
ありがとっ」
「こちらこそ、ありがと。
なんかいろいろ慧のおかげだっ」
「あ、つっちー嫉妬させるために俺のこと使ってね」
「え!?いやそれは…」
「えー、いいアイディアだと思うんだけどなー」
「もう、何言ってんの」