ゆめ恋。



教室に戻ると、一樹は窓の外をボーっと見ていて
めぐとまいは2人してスマホをいじっていた。


「あ、おかえりー」

「ただいま」


2人にそれだけ言って、私は自分の席に着いた。
慧も来るかなー?と思ったけど、慧はめぐとまいのところに座った。
…気を使ってくれたり、したのかな…?


「おう」

「おはよ、一樹」


私が席につくと、一樹はいつもの笑顔で私に挨拶した。
…ま、笑顔っていっても優しい目と少しだけ口角が上がっただけなんだけどさ…


「慧とどこ行ってたわけ?」

「え、特にどこってわけじゃ…
…でも、一応告白のお断りはしたかな」

「ふーん、そ」


あ、今日ご機嫌だ。
朝って大概機嫌悪いか、眠そうなのにね。


「なぁ、今日飯食ってかねぇ?」

「え、一樹んちで?」

「は?ちげぇよ。
どっか食ってかねぇかって話」

「あ、そっちか。
…あー、でも今日はダメだ」


今日は…ちさちゃんと約束しちゃったしな…
ここで一樹とも約束したら絶対ちさちゃんついてくる。

できたら今日は一樹とは一緒に帰らないようにしないと…



< 161 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop