ゆめ恋。



そして放課後


「綾那、帰らねぇの?」

「え、あ、」


や、っぱ
一樹は一緒に帰る予定でいたのかっ…
それができるならこのまま一緒に出掛けたかったよ…!!


「……今日は、先に帰ってて」

「なに、用事?」

「うん、そうだって」

「ふーん、そ。
んじゃまたあとで。…4時半だっけ?」

「あ、うん
家の前に行くね」

「おう
まぁ適当に出とくわ」


一樹はそう言って私に手をあげ、慧にも声かけてから教室を出て行った。


…ふぅ、よかった。先に帰ってくれて。
ってか一樹と慧、一緒の方向なんだから一緒に帰ればいいのに。

って、あ
今日慧が掃除当番なのか。大変だな


「あ、綾那ちゃんここで待ってるんだっけ?
なら少し手伝ってかない?」

「えー…、あ、
ごめ、来たから帰るねっ」

「へ、あぁ
また明日ー」


慧にバイバイ、と言って
私は廊下に出た。


「ごめんね、お待たせ!
あやちゃんちクラスは終わるの早かったんだねー」

「あ、うん
うちの担任テキトーで」


そんな話をしながら、私とちさちゃんは一緒に廊下を歩きだした。
こうやって2人きりで帰るの、本当久しぶりだなぁ…


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