ゆめ恋。



駅まで10分もかからない。
そんな短い時間だったから、私たちはたくさんの話をした。

昔のクラスメイトの話だったり、授業のことだったり、最近人気の芸能人の話だったり…、
昔とは話す内容が違うけど、それでもやっぱりちさちゃんと話すのは楽しくて仕方なかった。


「そういえば、あやちゃんって彼氏とかいないの?」

「え!?い、いないよ!」

「えー?意外~!
こんなに可愛いのにー。
前の学校でいい人いなかったの?」

「あー…、あんまりそういう感じの学校じゃなかったの。
ちょっと物静かというか…、地味な男子が多かったかなっ」

「そっかー。華の高校生活がそれじゃなんかもったいないね」


…ちさちゃんは、一樹のことがまだ好き、なんだよね?きっと…
……聞いたところで答えが決まってるから、なんか恋バナは発展させたくないな…


「……ち、ちさちゃんの中学は
小学校の頃とあんまり変わらなかった?」

「あ、中学?
中学は4つの小学校が1つにまとまったから、すっごい人数増えてさー
正直いまだに名前知らない人とかもたくさんいるんだぁ」

「え、そんなに!?」

「うん!クラスも1学年12クラスもあったんだよ」


え…、すご…
想像できない…

私の行ってた中学なんて4クラスだけ…
あの3倍、人がいたのか…すごすぎ…さすが東京…


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