ゆめ恋。

「そんだけ人がいてもさ、やっぱり一樹くんは目立ってて」


う…、きた…
結局来ちゃった、一樹の話題…


「へ、へぇー…」

「すっごいモテてたんだよー。まぁあんだけかっこいいしね！
でも一樹くん、あんまり女子と話す方じゃなくて、彼女とかできたことないんだけど」

「へー…え！？
え、一樹彼女できたことないの？」

「え、うんっ、そうだよ！」


そ、そうなんだ…
なんか意外過ぎるんだけど…


「それでも私とは仲良く話してくれたから、すっごい嬉しかったんだよね」

「……そうなんだ」

「…だから、どんどん好きになってったんだよね。
最初は見た目だけだったけど、仲良くなるうちに、どんどん一樹くんのこと知りたくなってって」


…で、結局ストーカー的なものになって、嫌われた、ってことか
家の前で待っちゃったりするくらいだもんな…


「……私、一樹くんのこと
やっぱりまだ諦められないんだ」

「…そっか」


諦められない、か
あんなに一樹に相手にされてないのに、まだ好きでいられるって

なんか、ちょっとすごいことだよね…


「だから、あやちゃん
協力してくれるよね？」

「……え！？」


きょ、協力！？私が！？
い、いやいやいや！！絶対無理！！

っていうか、また絶対怒られるから…


「友だち、だよね？」

「…う、うん」

「ありがとー！」


…え、え！？
え、これ協力するの決定ってこと！？
今の「うん」は友だちってことに頷いただけなんけど


「ちょ、まっ…
協力は「じゃ、駅こっちだから！またねー！」

「え、ちょっ…！」


協力…、できないよー！！