ゆめ恋。
そんなくらだない話をしながらふらふらと歩いていたら、あっという間に5時半近くなっていた。
「あ、予約5時半だからそろそろ行かねぇと」
「うん、どの辺ー?」
「こっち」
まぁ、どの辺なのか聞いたところで私にはわからないんだけどね。
なんせ初の渋谷だし。
「あ、あの人同じ学校の人だね」
「あ?…あー、ネクタイが赤だし1年だな。
まぁ近いし、けっこういるかもな。
俺は制服ではあんま来ねぇけど」
「なんで?」
「誰かに絡まれたとき制服だと学校バレてだるいだろ」
「いや、絡まれるようなことしないでよ」
「俺からは絡まねぇし。
ただ歩いてるだけで絡んでくるやついるんだよ」
…おいおい。
私、そんなやつとここ歩いてて大丈夫か?
私といるときに絡まれないように気を付けてよ?全く…
「まぁ今日は綾那がいるから絡まれなくて助かるわ」
「え、それ私関係ある?」
「彼女だと思われるだろ」
…え?え、
それ、絡まれる…違くない?
「……それさぁ、ナンパってこと?」
「あー、それが言いたかった」
・・・なんなの、この人。
頭いいんだかアホなんだか…
しかも逆ナンされるって…さすが、イケメンだわ。
まぁ確かにナンパされて学校バレるのはいやだな、さすがに
「あ、店ここ」
「あぁ、うん」