ゆめ恋。
それから新しい家具を買ったり、新しいクッションを買ったり、
私の遠い記憶にしかない東京をお母さんと楽しんだ。
まぁ、修学旅行できたことあるんだけどね。
こういうお買い物って言うのがなかったから、なんかやっぱり新鮮だ。
新しい机は翌日家に届いて、私1人で組み立てることもできた。
他にもチェストをクローゼットに置いたり、棚も組み立てて部屋の一角に置いて収納に使ったり
新しい部屋も着々と出来上がった。
前の部屋と比べると、物が少なくてぐっと大人っぽくなった。
やっぱり勉強机がないのは大きいね。
その翌日には新しい学校での面接があり、簡単な質疑応答をして、無事入学が決まった。
入学が決まると今度は宿題が出され、新しい制服や体育着やジャージとかを買いに行かなければならず…
私の毎日は思っていた以上に忙しかった。
それでも欠かさず行っていたことは
「おはようございます!」
「……はよ」
窓の向こう側にいる人への挨拶だった。
あの次の日、また窓の外の人といる時間がかぶり、私が部屋から写真と撮ってる音が向こう側まで聞こえていたみたいで
その時「別に迷惑なわけじゃない」と言ってもらえたから、私は毎日向こう側の人に挨拶をした。
声の感じからして間違いなく男性。
年齢は聞けずにいるけど、話し方からして高校生から25歳くらいまでかなって、勝手に思っている。
まぁ、お隣さんもご家族で住んでるってお母さんが言ってたから、まだ家から出ていないってことはそこまで年齢はいってないんじゃないかな…たぶんだけど。
とくになにか話したりするわけでもなく、最近は挨拶だけ。
たまになにかあれば話すこともあるけど、向こう側の人の返答はいつも短く、とくに会話らしい会話ってわけではないから、まぁ迷惑にならない程度に…
こっちに知り合いがいない私にとって、貴重な話し相手だった。