ゆめ恋。



初めての、友だちとの焼肉。
なんかいろいろ初めてすぎて、私はすべて一樹に任せてひたすら食べていた。


「…やっぱ、綾那は楽でいいよな」

「え、どういう意味?」

「なんつーか
慧とだとさっきも言ったけどナンパしてくるやついて落ち着かねぇし
慧もそれはそれでまんざらでもないって感じだし
飯食いに来て全然食わねぇ女もいるし」

「え、」


ご飯を食べに行って、全然食べない”女”?
って…やっぱ
一樹って、私以外の女の子ともご飯とか、行くんだ


「綾那はちゃんと食うから、俺も食いやすいし」

「…どうせ食い意地はってますよーだ」

「いや褒めてんのに」


…そか、こっちの女の子は食べないのか。
だからあんなに細いのか。

…私、一樹と仲良くなってから食べる機会多いけど…
リバウンド、してない?大丈夫?

体重計、乗らないと…


「…一樹は、どんな女の子と付き合うんだろうねぇ」

「はぁ?親戚のババアみたいな発言だな」

「あ、でも好きな子いるんだったね。
ね、告白しないの?」

「はぁ?」

「一樹なら誰相手でも余裕でOKされそうだよね」


…一樹は、どんな女の子が好きなんだろう。
誰のことが好きなんだろう。

…ま、考えたところでどうしようもないんだけど。


「…少なくとも、すぐはしない」

「え?な、なんで?」

「…肝心なこと、忘れてるから」


・・・え。え?
どういう、意味だ?


< 170 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop