ゆめ恋。
結局思い出せないまま、私たちはマンションに向かって歩き出した。
「なんか、まだ引っ越してきて1か月半なんだよなぁ」
「それが?」
「ん?んー、別にそれがどうってわけじゃないけど
なんか、前の学校が遠い昔のような気がしちゃって」
里穂に会えなくなって1か月半
どれだけ短時間でも里穂とは毎日電話してきた。
あっちの話を聞いたり、こっちのことを話したり…
もう、ずっとこっちにいる気になってるよ
「あ、そ」
引っ越しが決まってから、私毎日おんなじような夢見てきたよな。
一樹に似た男の人の夢。
…まぁ、こんな金髪なわけでもないし、ここまで背が高いってわけでもなくて
実際一樹のがかっこいいんだけど
あの夢、いったいなんだったんだろ。
・・・ん、夢…
「…あぁ!思い出した!!」
「な、なんだよ、急に」
あの公園、夢に出てきたんだっ
あの公園で、あの男の子となにか話して…それで…
……あー、でもなんか
覚えてないけど、あんまりいい夢じゃなかった気がしたようなー……