ゆめ恋。



「3C、ここな」


先生と一緒に階段を上り、2階にある教室はあっという間に到着した。


「俺先に入るから、声かけたら都築も教室入ってきて」

「は、はい」


先生は私の返事を聞いて、すぐに教室へ入っていった。


「席つけよー」

なんて、ありきたりなことを言いながら。
…前の学校でも大抵先生の一言目ってこれだったしな…


めちゃくちゃにぎやかだった教室からがたがたと座る音が聞こえて、にぎやかさがなくなったと思えば

「先生ー!転校生来るって本当ー!?」

なんて、男子の声が聞こえてきた。


…なんなんだ、その期待してる感…
こんなちんちくりんがきて、がっかりされたらどうしよう…

背は155で若干低いし、ダイエットはしたけどやっぱりこっちの子はみんな細いし…
田舎者感出たらどうしよう…


「都築、入って」


そんな心配をしていたら、先生が廊下の私のところに顔を出してくれて、私は意を決して足を動かし、このクラスに一歩足を踏み入れた。


「静岡から来た、都築だ。
みんな、いろんなこと教えてあげろよ?

…都築、自己紹介」


うわっ…、そうだった…
自己紹介、しないとだよね…


「…都築綾那(つづきあやな)です。
よろしくお願いしますっ」


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