ゆめ恋。



「あ、つっちー
いきなり遅刻かよー」

「……くっそねみー…」


そういって、ミルクティーくんはまさかの私の隣の席へと座った。


「……え、誰?」

「転校生!静岡から来たんだってー
都築綾那ちゃん!」

「…ふーん」


ミルクティーくんは、そう言ってジッとこっちを見ていた。
視線がすごくて…私は一回たりともミルクティーくんの方を見ることはできなかったけど
ミルクティーくんはすぐに私から目を離して机に伏せた。


「あ、綾那ちゃん!
こいつ土屋一樹(つちやいつき)!」


土屋、一樹くんか…
なんか初めて名前聞いたや…
他の、あなたたちはいったいなんていう名前なんでしょうね…

誰一人としてまだ名乗られてないんですけど…


「おーい、始業式始まるから体育館移動しろよー」


先生が来て、私たち生徒はみんな一斉に体育館へと移動を始めた。

ここでやっと男子集団から解放され、私は席を立った。
…って、土屋くん寝てるし…

この人はこのままここで寝てるのかな…


まぁいいや!
…誰か女の子、話しかけてくれないかなぁ…
こっちから話しかけるのはかなり勇気いるんだよなぁ…

どんな子かもよくわからないし…




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