ゆめ恋。




・・・で、結局

「綾那ちゃん、一緒に帰らねぇ!?」

いつまでもこの男子集団に邪魔され、私は一言も女の子と言葉を交わすことなく今日の学校は終わりを迎えてしまった。
…まぁ、半日だけだしね…


「え、と…」


こういう時、どうやって断ったらいいんだろう…
トイレにすら行きにくいよ、この状況…


「都築はこれから担任のところに行くんじゃねぇの」


困っていた私にそんな助け船を出したのは、まさかの隣の土屋くんだった。
…ってか、名前覚えてくれたんだなぁ…


「え、でもそのあとでも」

「待ってたら担任に怒られるだけだろ。
さっさと帰れって。だいたい、都築困ってんじゃん。

都築も担任待ってんだろ?さっさと行けよ」


土屋くんはそう言って、私にカバンを押し付けて
行けよってサインをしてくれたから

カバンを握りしめて
「じゃあ…」
と、その場をようやく離れることができた。


…にしても
なんか、私土屋くんの顔すらまともに見ないで、お礼も言わずに来ちゃって、助けてくれたのにめっちゃ失礼じゃん…

かといって、明日会ってお礼言うって言うのもどうなんだろ…
でも…、ちゃんと言った方がいいんだよね、きっと…



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