ゆめ恋。
「なにか用ですか!?」
ずっと後ろをついてこられて、こんなところまで…
私なにかした…!?やっぱりお礼言わなかったのがまずかった…!?
ビビッて変な言葉を発する私に、土屋くんはなんの言葉も発さず、ポケットに手を突っ込んだままこちらに歩み寄ってきて
「な、なななっ…!?」
パニックって思わず隅によけてしまった、けど
土屋くんのポケットからは鍵が出てきて、エントランスのドアを普通に開けた。
「俺もここのマンションなだけ」
・・・えっ…!?
「ってかなんでそんなキョドってんの」
土屋くんはそれだけ言って、エレベーターへと向かった。
私と言えば、そこから動けなかった、けど
1階にいたらしくてエレベーターはすぐにドアをあけ、土屋くんは乗り込んだけど
乗り込んだまま、ドアを開けたまま、こちらに向かって手招きをした。
…これは、早く来い、って意味なんでしょうか…
そういう意味、だよね…?
私は、持っていた鍵で閉まってしまったエントランスを開けて、目の前のエレベーターへと駆けた。
「す、すみません…」
「別に。
ってかお前も18階だろ?」
「はい。…え、どうしてそれ…」
「前に、俺んち隣に引っ越してきた人が都築って人たちだから」
「……え!?」
ちょ、待った…
確か、うちの隣って土屋さん…って、言ってたよね…?
「お前んちだろ?
うなぎパイも家にあったし、静岡から引っ越してきたみたいだし?」
・・・うなぎパイ。
はい、完全にそれってうちのことですね…